財産分与の評価時期について
財産分与の対象となる財産について、いつの時点で、どのような方法で評価するのかが問題となるケースが多くあります。
現金や債権であれば誰が見てもいくらかわかるのですが、不動産や家具などは、きちんと価値を評価しないとトラブルの原因になります。財産の評価方法については、法律上の定めはないので、客観的合理的に妥当と認められる方法であればよいとされています。土地や家に関して。基本的には、近隣の物件の売り出し価格を参考にしたり、不動産鑑定士に依頼を出したりします。ローンが残っている場合には、不動産評価価格から未払いのローン分を差し引き財産の価値とする方法や、返済済みのローンの元金充当分を財産の価値とする方法があります。その他の自動車や家具などの財産は、可能な限り中古品の相場と照らし合わせてその価値を評価します。売れたとしても良い値段にはなりにくい財産は、市場価格で評価するというよりも、現物で分与することが推奨されています。
財産分与の基準時については、実務上は、預金等は別居時点、不動産は離婚時点とされることが多いです。